認知症と薬『ガランタミン(レミニール)』その他編
どうもはや坊です。
前回は認知症の薬として最も知られている「アリセプト」の話をしてきました。
このアリセプトは抗認知症薬として初めて登場した薬です。
その後に抗認知症薬として登場したのが、今回紹介する『ガランタミン(レミニール)』などの3つです。
その3つとは
ガランタミン(商品名:レミニール)
イクセロン(商品名:リバスチグミン)
メマンチン(商品名:メマリー)
です。
この中でレミニールとリバスチグミンは前回紹介のアリセプトと同様にアセチルコリンエステラーゼ阻害薬として効果を発揮します。
※アセチルコリンエステラーゼ阻害薬についての説明は前回分を参照下さい。
http://gokijet.hatenablog.com/entry/2018/06/13/014755
では同じ効果の抗認知症薬は何が違うのでしょうか。
ここからは商品名を記載していきます。
◯レミニールとアリセプトの違い
アリセプトがアセチルコリンエステラーゼ阻害薬としてだけに効果があるのに対して、レミニールはこの効果にプラスしてアセチルコリンを受け取る受容体の働きを助けてくれる効果があります。言ってしまえば1つの事にしか効果のないアリセプトと2つの事に効果があるレミニールとなります。
では、アリセプトではなく全てレミニールにしたほうが良いのでは??
と思う方がいると思います。
しかし必ずしもそうとは限りません。もちろん薬が本人に合うかという相性の問題があります。
それ以外にも薬の効能時間が違うのです。アリセプトは効果の持続時間が長いため1日1回の服用です。これに対してレミニールは持続時間が短いため1日2回の服用になるのです。
副作用はアリセプトもレミニールも大きな違いはありません。
◯リバスチグミンとアリセプトの違い
リバスチグミンとはパッチ薬つまり貼り薬のことです。飲み薬と貼り薬という違いだけでなく、作用する神経伝達物質にも違いがあります。アリセプトとレミニールがアセチルコリンエステラーゼだけに作用するのに対して、リバスチグミンはブチルコリンエステラーゼという伝達物質にも阻害作用があります。つまり、二刀流ということですね。そのため認知症が高度になっても効果が期待されています。
副作用はパッチ薬のためかぶれなど皮膚症状が見られる場合がありますが、それ以外はアリセプトやレミニールとほぼ同様です。
◯最後はメマリーについてです。
メマリーはこれまでのアリセプト、レミニール、リバスチグミンとは作用が全く異なります。NMDA受容体拮抗薬とよばれるタイプです。
アルツハイマー病では異常なタンパク質が蓄積されることで認知機能が障害を受けてしまいます。このタンパク質の蓄積が起こると神経を興奮させる物質が過剰に放出されます。これらの神経を興奮させる物質により脳内のNMDA受容体というものが過剰に活性化されると神経細胞や記憶などが障害されるのです。
それを防ぐ役割がメマリーです。
また、メマリーはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬との併用でその効果が高まるとも言われていますので、アリセプトとメマリーを併用するケースもあります。
副作用は眠気とふらつき(めまい含む)があるため、転倒等には十分に注意が必要です。
その人に合った薬を医者と一緒に探しながら上手く薬の種類も併用することで、より効果が得られる事があります。
薬とも上手く付き合っていきましょう。
認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。