はや坊〜認知症ケアデザイナーの伝えたい事〜

認知症に関する様々な情報の発信

高齢者に起こりやすい「転倒」認知症を抱える人にも注意が必要

どうもはや坊です。





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※いつかの夏に筆者が沖縄北部の本部町から伊江島方面を撮影したものです。意外とキレイに撮れていますwww



さて、余計なことはこの辺にしておきます。
よくテレビや雑誌、その他色々な所で高齢者が注意することとして挙げられているものがあります。


それは「転倒」です。



そもそも転倒は何故起きるのでしょうか?


もちろん子供、大人、男性、女性関わらず誰もが1度くらいは転んだ経験があるかと思います。

実際に子供たちだと毎日の遊びの中で何度も転ぶことはもしかしたら日常茶飯事なのかもしれません。

でも、子供たちは我々大人とは違い、転んで怪我をすることは少ないはずです。それは子供の身体が大人よりも柔軟であること、身体がまだ小さい分転んだときの衝撃や影響が少ないこと等が理由になるでしょうか。

“これらはあくまでも筆者の個人的見解です”



その転倒が高齢者になるとどうして注意が必要で危険なことだと思われるのでしょうか?



それは一般的に年齢を重ねるほどに、筋肉量が低下、かつ骨密度の低下により重大な怪我につながる可能性が高いからです。
もちろんそれ以外にも階段や段差を踏み外してしまう等の危険もあります。
皆さんすでにご存知かもしれませんね。









人間はどうしても年を重ねる毎に体力や筋力を始めとして、身体の機能は低下していくものです。
それを維持、向上させる方法はいくつもあると思いますがここでは省略させて頂きます。


先ほど記した
◯筋力の低下
◯骨密度の低下


これは筋力低下を「サルコペニア」、骨密度低下を「骨粗鬆症」という言葉でも広く知られているものです。
※症状全てがこの2つに分類される訳ではありません。



高齢者が転倒すると何が起きるのか?

体力や筋力など身体機能が低下している状態で転倒すると、

●骨折

●頭部損傷

この2点が大きな怪我として挙げられます。

骨折では、

大腿骨(股関節から膝までにある太ももの大きな骨)

手首

腰椎、胸椎の圧迫骨折(転んだ衝撃で骨と骨がぶつかり潰れてしまう状態)

骨折をすると場所によっては手術をしたり、リハビリも数ヶ月を要します。その間に自分で動くことに不安を感じてしまい、より動かなくなることで更なる身体機能の低下を招いてしまう可能性が高いのです。


頭部損傷は、
転倒時に反射的に受け身の姿勢を取ることが出来ずに頭を打ってしまい、そこから脳出血等になってしまうこともあります。

※高齢者は反射的な動作が段々と難しくなってくるので、とっさに受け身を取ることが出来なくなります。


このようなことから高齢者には転倒が起きないように十分注意する必要があるのです。




では、認知症を抱える人たちではどうなのか?



これまで話してきたものは認知症を抱えるかどうかに関わらず、全ての人に注意が必要です。

加えて、認知症を抱える人は周りの状況を理解することが難しいため、より細かな注意が必要になります。


例えば、、
☆目の前に段差がある場合
➡通常は段差を見て注意してから通過します

認知症の場合、段差を見たとしてもそれが段差であると認識していない場合には平面を歩くのと同じように通過しようとして転んでしまうのです



転倒を防ぐにはどうしたら・・・


高齢者にとって大変危険な転倒を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。
そのポイントをいくつか紹介していきます。


①日頃から軽い運動をする習慣をつけることで体力や筋力の低下を防ぐ
➡ちょっとした散歩やラジオ体操等も効果的です。気兼ねなく行えて定期的に続けられるものを選んで行いましょう。


②歩幅を広くして歩く習慣をつける
➡高齢者の中に歩く時の歩幅が狭い人がいます。これは慎重な性格の人に多いのですが、転ばないように慎重にし過ぎて歩幅が狭くなっているようです。ですが歩幅が狭いとかえって身体のバランスは取りにくいので転倒のリスクが高くなってしまいます。もし、近くの方に歩幅が狭い人がいましたらすこし歩幅を広くして歩いてもらえるように声かけをしてもらえたらと思います。


③可能な限り段差がない環境を整える
➡これも歩きやすくするための方法として広く紹介されています。
※筆者は記載しておきながら個人的にあまりオススメはしていません。日常生活である程度の段差は少しの運動と捉えて良いかなと考えています。
※段差等を解消するには経済的な負担にもなりますのでくれぐれも無理のない範囲でして頂ければと思います。


④よく歩く道中(動線とも言います)に余計なものは置かない
➡歩く時の妨げになるものを置かないだけでもずいぶんと変わります。これは何も高齢者の転倒防止だけでなく、誰もが動きやすいですね。









転倒はいつ、どこで、起きるか分からないので対応はとても難しいものです。
だからこそ、転倒のリスクを少しでも小さくする身体機能や環境を整えておきたいものですね。




認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。