はや坊〜認知症ケアデザイナーの伝えたい事〜

認知症に関する様々な情報の発信

時間や場所・人が認識しにくくなる「見当識障害」どうしたらいい?

どうも、認知症ケアデザイナーのはや坊です。

 

 

 

時々みなさんが住んでいる地域で高齢者が迷子になったとか、行方が分からない、といった話を聞いたことがあるでしょうか。

 

 

 

 

 

それは認知症の症状である「見当識障害」が原因かもしれません。

 

 

 

見当識障害とは時間や場所、そして人が分からなくなってしまうことをさします。

◯今日が何月何日なのか分からない

 

◯今いる場所がお家なのか、外出先なのか分からない

 

◯他人と家族の見分けが付かなくなってしまう

 

 

これは認知症により脳の前頭葉頭頂葉などの部分が障害を受けてしまうことでおきてしまうものです。

 

前頭葉・・認知、思考、判断、行動とった脳の総合機能を司る場所

頭頂葉・・空間把握や体の認識も関わる部分

 

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この見当識障害は時間→場所→人の順で障害が起きるとされています。

 

「夜中なのに外出する時間だと思い込み身支度をして外出しようとする」

 

「夏の暑い時期に冬に着るコートを羽織って外出しようとする」

 

「外出先からお家へどうやって、いつ帰るのか分からないため不安が強くなる」

 

「今いる場所が自分が居ても良い場所なのか分からないためソワソワしてしまう」

 

「よく顔を合わしている人なのに認識出来ないため、自分自身に落ち込んでしまう」

 

「自分の家族の顔や自分自身も認識出来なくなるともう何が何だか分からない」

 

 

 

このような例は少なありません。

このような症状が続くと認知面だけでなく、本人様の身体状態も悪くなってしまう可能性があります。時間の感覚がバラバラだと身体は思うように休めません。身体には定期的な休息を与えていかなければもつはずはなく、疲れから日中何もせずにぼーっと過ごしてしまう・・という状況に陥ってしまうのです。

 

 

「何が何だか分からない」

この言葉はアルツハイマー認知症の方が多く仰られる代表的な言葉です。

筆者はこの言葉に認知症を抱える人の切実な思いが集約されていると思っています。

彼れがこの言葉を発する時には本当に一時的に何も分からなく、不安と恐怖でしかないのではないでしょうか。

 

それぞれに当てはめて考えると理解しやすいはずです。

さっきまでいた人が急にいなくなったら、、

自分の知らない所に急に連れて行かれたら、、

ここで何をするのか(されるのか)分からなかったら、、

 

 

誰でも不安や恐怖に感じるはずです。

その思いが記憶や理解面に障害を受けているため他の人より強く現れてしまうのが認知症なのです。

 

 

 

では、どうしたら良いのでしょうか??

それはその本人が今不安に思っていることをまずは聞きだす、ここからがケアのスタートになります。

何を思っているのかを正しく理解できないと対応も出来ません。

 

不安や恐怖の原因が何か分かったら、そのことについて説明を行うことです。

その説明を聞いて安心してもらうことが大切です、もちろんその説明を忘れてしまい同じ質問をしたり同じようにソワソワするかもしれません。

 

ですが、きちんと説明を行えば必ず伝わります。

 

 

説明をするときのポイント!!

その人が話した内容を否定しながら説明をなるべくしないようにすることが大切です。

はじめに否定をされてしまうと、自分は何か違うんだと思い込みそのあとの説明がほとんど頭に入ってきません。そのため、説明はなるべく否定をしないで済む言葉選びをしてみてください。

 

 

 

 

 

 

人は分からないという状況になってしまうと少なからず不安や恐怖、パニックになりやすいものです。

その思いを汲み取ってケアを行えると、ほんの少しはその人にとって安心できる場所や空間になるのではないでしょうか。

 

 

 

認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。