認知症と薬『アリセプト(ドネペジル)』
どうもはや坊です。
前回は認知症に関わる薬について軽く触れました。今回より認知症の薬の種類毎により詳しく話していきたいと思います。
認知症のケアを行っていく上で薬との関係について理解しておくことは非常に重要です。
その人に合ったケアを行うことが大前提にはなりますが、直接的なケアだけではなかなか上手くいかないことも出てきます。その時には薬とも上手に付き合いながら対応していくことが必要になります。
認知症の薬として1番メジャーな「アリセプト」
認知症の薬と聞いて多くの人がイメージするのがこのアリセプトです。今回はアリセプトについて少し掘り下げていきましょう。
アリセプトはアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の症状の進行を抑える働きがある薬です。(抗認知症薬)
※開発:エーザイ株式会社
※※ちなみにアリセプトとは商品名のことで、実際の薬はドネペジル塩酸塩といいます。
抗認知症薬の効果って??
私たちの脳内にはシナプスという神経細胞があります。そのシナプスの間を神経伝達物質が行き来することでさまざまな情報がやり取りされ、記憶や学習に繋がっています。その伝達物質の中に【アセチルコリン】という物質があり、アルツハイマー型認知症等ではこのアセチルコリンが減少することで、認知症のさまざまな症状が現れるとされています。
➡アセチルコリンが減少している原因にアセチルコリンエステラーゼという酵素があります。アリセプトはこのアセチルコリンエステラーゼの働きを抑えたり分解する役目を持っているため、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬と言います。
(長い、、長すぎますね…。笑っ)
要するにアセチルコリンがこれまでのように上手く働くことの手助けをしているのがアリセプト、ということです。
アリセプトの用法・用量
アリセプトは抗認知症薬として唯一アルツハイマー型認知症だけでなくレビー小体型認知症にも効果があるとされています。
アリセプトの使い方
1日1回の服用で食後など決まった時間での服用ではありません。ですが一般的には朝食後に他の薬と一緒に飲んでいる人が多いようです。
◯用量
まずは1日3㎎からスタートします。副作用などが現れないか様子観察しながら2週間程度を目安に服用し、その後5㎎に変更して服用を続けます。
認知症が高度になってくると1日10㎎にして対応します。
これはアルツハイマー型認知症もレビー小体型認知症もだいたいは同じような流れになっていきます。
副作用は??大丈夫?
アリセプトの副作用は比較的少ないとされていますが、吐き気や嘔吐、下痢といった消化器症状を引き起こしてしまう場合があります。
また、その他には興奮やイライラ、不穏(落ち着きがない状態)といった精神症状が現れる場合もあります。
副作用が現れた場合にはなるべく早く主治医と相談して服薬の変更や中止も検討する必要があります。
アリセプトはその他認知症の周辺症状の中でも、意欲低下、無関心、抑うつといった症状への改善効果が報告されてもいます。
始めにも書きましたが、認知症へはその人に合ったケアを行うことが大前提です。それと並行しながら上手くアリセプトも服用しながら、その人らしい生活を少しでも長く続けられるようにサポートしていきたいですね。
認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。