認知症対応実践:食事編その6
どうもはや坊です。
認知症の対応方法について、シーン毎にフォーカスして紹介をしています。
まずは食事編として話をすすめていますが、食事編で早くも6弾になりました。
早いものです。。。笑っ
引用:http://gahag.net/tag/6%E6%9C%88/
今回で食事編としては終了になります。
(一応、一通り紹介出来ましたが不明な点がありましたらご質問なり何なりとご連絡下さい)
認知症を抱える人が食事を口にしなかったり、介助に対して拒否を示すことがあります。
その原因として挙げられることに
・単に食べたくない
・食事の食べ方が分からない等実行機能障害によるもの
・介助等に対して不安や恐怖があり拒否してしまう
最後は『介助等に対して不安や恐怖があり拒否してしまう』ことについて話をしていきます。
介助に対する不安や恐怖とは一体どういうことでしょうか。
これは「失認」という状態が原因だと考えることが出来ます。
※後述しますが、失認だけが原因ではありません。
失認とは???
見たもの、聞いたこと等が何であるか認識あるいは理解出来ない状態のことをさします。
例:
食事前に渡されたおしぼりを食べ物だと勘違いして口にいれてしまう
このように失認が起きると、物を間違った形で認識してしまうので事故に繋がる可能性があります。
ケアを行う際には十分に注意しましょう。
先程は誤って物を口にいれてしまう例を紹介しましたが、逆のことが起きることもあるのです。
それが今回の症状になります。
つまり、〈食事〉を《食事》だと認識することが出来ずに、口にすることが出来ないのです。
その失認状態とは知らずに、介助をしてしまうと本人は食事だと思っていないので
“何で食べ物じゃないのに食べさせようとするんだ”
“何か危ない物を食べさせようとしている”
といった、不安や恐怖に繋がってしまい介助拒否になってしまいます。
そのやり取りが続くと認知症を抱える人は自分を守るために食事をわざとこぼしたり、ケアを行う人に対して防衛本能から攻撃したりしてしまうのです。
ではこの失認による食事拒否はどのように対応していけば良いのでしょうか。
今回も筆者が実際に行っている方法を紹介します。
実践例
Fさん:認知症を抱える人
筆 :筆者
Fさん「これはいいよ、食べないよ」
筆「お腹空いていないですか?一口食べてみませんか?」
Fさん「何か分からないのにいいよ」
筆「これは◯◯と□□を使った△△ですよ」
※実際のメニューを伝えます
筆「私も食べましたが美味しかったですよ。あ、隣の方も同じメニュー召し上がっていますね。どうですか?一口」
Fさん「恐る恐るだが一口ずつ召し上がる」
この時に大切なポイントは2つ。
☆食事だと認識してもらえるように食材の名前等を伝えるように話し掛ける
☆自分やその他周りの人が実際に食べているのを見てもらう
まずは食事だと認識してもらわなければなりません。
この時に介助者が陥りやすいのは、食べさせることだけに意識が向いてしまい“ご飯”や“食事”というように大雑把な情報だけで声掛けをしていることがあります。
それで大丈夫な時ももちろんありますが、より認識しやすい食材なども伝えていくとよりスムーズになっていきます。
2つめは前回でも紹介した『ミラーリング効果』と同じような対応方法です。
この2つを上手く使い分けながら対応すると、本人も不安や恐怖を感じることなく食事を楽しめるのではないでしょうか。
これまで6回に分けて【食事】に関する実践方法として紹介してきました。
どれも筆者が実際に行っているケアであり、一定の効果があったものです。
しかしながら、どのケアも100%確実なものではもちろんありません。また、昨日今日は上手くいったけど、明日は上手くいくとは限りません。
なんどか話していますが、
1番大切なことは
“この人は今何を考えてどう感じているのだろうか”
それを汲み取ってケアをするように心掛けるとそれは必ず伝わります。
当然ですが、無理やりな介助は論外ですしケアをする側だけの都合で行うとそれも必ず本人へ伝わります。
そのようなケアはどのシーンでも漏れなく、認知症を抱える人に関わらず拒否をされるでしょう。
その人のことに興味を持ち、その人のことを考え、その人と自分の双方がより良い関係性または環境になるのかを意識してケアを行う習慣を身に付けたいものですね。
次回以降も各シーン毎により良いケアを一緒に考えて、筆者が行っている実践例を紹介していきたいと思います。
ほんのちょっぴりだけ期待度して頂ければ幸いです。
認知症を抱える人もケアを行う人も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。