はや坊〜認知症ケアデザイナーの伝えたい事〜

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認知症ってどうやって診断されるのか? ⑶画像診断編

どうも、認知症ケアデザイナーのはや坊です。

 

今回も引き続き認知症の診断に関わることについて話をしていきますね。

問診や診察、そして神経・心理学的検査の次は「画像」を用いた診断になります。

 

 

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画像診断と聞いて思い浮かぶものといえば、

 

 

・レントゲン

 

・CT

 

MRI  などなど

 

 

 

がありますね。

 

 

認知症の検査でも同じくこれらを使用して診断していくことになります。

 

 

 

それぞれの画像検査における特徴を記載していきます。

 

 

そもそも何故認知症の診断で画像が必要なのか?

 

これまで診察や心理検査などを行い、明らかな記憶障害や理解力・判断力の低下がみられるとしても認知症の診断を行うことが出来ません。

これらはあくまでも医師や家族などの主観的判断でしかないのです。

つまり診察や心理検査はあくまでも診断の補助的なツールだということです。

 

 

そこで確固たる根拠を導き出すため「画像診断」が必要になってくるのです。

 

 

 

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  • 認知症診断に用いられる画像診断の種類

 

◯CT

 

MRI

 

◯SPECT

 

◯PET

 

 

それではそれぞれの検査における特徴をみていきましょう。

 

 

 

CTってよく聞くけど何・・?

 

CTとは正式名称を「コンピュータ断層撮影法」(computed tomography)と言います。

 

 

これは体にエックス線を照射して、各組織のエックス線の吸収量をコンピュータで処理して画像化するものです。

体内の様々な病巣を発見することができますが、特に心臓、大動脈、気管支・肺などの胸部、肝臓、腎臓などの腹部の病変に関しては、優れたものとされています。

CTではよりエックス線を吸収する骨は白く見えます。空気や水分髄液などは反対に黒く見えます。脳はその中間で灰色の濃淡で見分けることができます。

 

 

画像参考:https://www.min-iren.gr.jp/?p=7464

 

 

 

左の写真は健康的な人の脳のCTで右側がアルツハイマー認知症の方のCT画像になります。

脳全体的に脳溝と呼ばれる脳のシワが大きくなっており、中央部が黒くなっています。これが脳の萎縮と呼ばれるものでこの萎縮により認知機能の低下を招いてしまうのです。

 

 

CTの特徴としては、検査時間が30〜5分程度で終わるとされていますので、身体的負担が少なくてすみます。また、画像検査の中でも比較的コストが安いこともメリットとして挙げられます。

 

 

 

それにMRIもよく聞きますね・・?

 

もう一つ画像検査でよく耳にする言葉にMRIがありますね。

これは「磁気共鳴画像診断法」(magnetic resonance imaging)と言います。

 

 

これは特定の電磁波を体に当てた時に生じる微弱な電気信号を画像化するものです。

CTもMRIもどちらも体の断層画像を撮影する装置ですが、最も大きな違いは画像を得る手段にあります。CTでは“ エックス線”を使って画像を得るのに対し、MRIは大きな磁石による“ 強い磁場”とFMラジオに使われているような“電波”を使って画像を得ます。そのため、MRI放射線による被ばくがなく、小児や健常な方も安心して検査を受けることができます。 

しかし、強い磁場を使っているため、CTには見られないMRIならではの制限や注意事項があります。 

 

アルツハイマー病と健康な方の脳の違い

 

画像参考

もの忘れ 認知症 アルツハイマー病の診断・治療 | きくかわクリニック【練馬区光が丘】内科・老年内科

 

 

 

MRIはCTに比べてより鮮明な画像の獲得ができます。また画像を縦、横、斜めにしたりということもできるのが特徴です。

さらにエックス線を使用していないため、被ばくしないということも大きなメリットなのではないでしょうか。

 

ですがMRIにもデメリットが存在します。

・検査時間が20〜1時間程度という長時間に及んでしまう

・装置から電磁波を作り出すための大きな音が出てしまう

・いればやペースメーカーなど体内に金属が入っている人は受けることが出来ない。

 

 

 

 

 

 

この2つが認知症を診断する時に主に用いられる検査です。

そのほかの2つは簡単にはなってしまいますがご紹介していきますね。

 

 

SPECT・・CTやMRIが脳の形態的な変化(形の変化)をみる検査なのに対してこのSPECTは脳の機能的な変化を調べるものです。

つまり脳が萎縮や何らかの変化を起こす前に早期発見ができるということです。

正式名称を「単一光子放射断層撮影」といい、特殊な放射性の医薬品を用いて脳内の血流量を測定してそれを画像化するものです。

 

SPECT

画像参考:http://srms.ac.in/fimc/nuclear-medicine/spect/ 

 

 

 

PET・・これは脳内の細胞代謝を調べる検査で正式名称を「陽電子放射断層法」といいます。検査方法は特殊な薬剤を体内に投与し、細胞から放出された陽電子を画像化するものです。脳の糖代謝を調べることで脳の活動量が測定できるとされていますが、現時点では日本では健康保険適用外ということもありあまり行われていないようです。

 

ブドウ糖代謝の画像例

画像参考:https://www.hmp.or.jp/medical/brainfunction/

 

 

 

このように認知症の診断には様々な画像診断が用いられています。医師と相談しながらどの検査が本人に一番合っているのかを一緒に検討しながらより適切な診断につながるようにしていきたいものですね。

 

 

 

認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。