認知症ってどうやって診断されるのか? ⑵神経・心理学的検査編
どうも、認知症ケアデザイナーのはや坊です。
今回も引き続いて認知症の診断について話をすすめていきます。
前回は各検査の前に行なう問診や診察についてのポイントをお伝えしました。
※前回の記事はこちらから👇
https://blog.hatena.ne.jp/gokijet0519/gokijet.hatenablog.com/edit?entry=10257846132625408502
今回は「神経・心理学的検査」についてお話をしていきます。
え、、その神経・・なんとかって何??
そうなりますよね。。
筆者も初めてその言葉を耳にした時はそうでした。
これは簡単にいうと認知機能を客観的に評価する際に用いる検査のことです。
余計にわかりにくいですね、ww
『理解力や記憶力などを調べるテスト』と解釈すれば分かりやすいかと思います。
認知症は記憶障害や理解力の低下など様々な症状が現れますので、その症状を総合的にかつ、今どの程度なのかを判断する時に用います。
- 神経心理学的検査にはどのようなものがあるのか?
◯HDS-R(改定長谷川式簡易知能評価スケール)
◯MMSE(Mini- Mental State Examination)
◯かなひろいテスト
◯時計描画検査
◯竹田式三色組合せテスト
◯etc・・
このように検査にはいくつかの方法があります。それぞれにどの認知症に適しているのかなども異なってきます。
この中で最も知られているのが
「HDSーR(改定長谷川式簡易知能評価スケール)」です。
※世界的にはMMSE(Mini- Mental State Examination)が広く知られています。
これは年齢や日付、今居る場所などの質問に始まりちょっとした計算問題や記憶に関する質問を総合的に行い認知機能のレベルを測定する検査です。
総合的にといっても質問は9つから構成され全部で30点満点です。
20点以下の場合は認知症が疑われるとされています。
※HDS-R(改定長谷川式簡易知能評価スケール)の質問はこちらから👇
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tool/pdf/tool_05.pdf
次に紹介するのはアルツハイマー型認知症の診断に有効とされている
「時計描画検査」です。
これは本人に実際に時計を書いてもらうだけの検査です。簡単な検査のように思えますが、きちんと時計というものを記憶しているか、形なども理解できているか、文字盤と針の位置関係などもきちんと描写できるか等総合的に判断することの出来る検査です。
なぜこれがアルツハイマー型認知症の診断に有効かというと、物事をきちんと理解して描写するという力が前頭葉機能を反映してるからです。さらにアルツハイマー型認知症は早期から数字に関する異常がみられることが多い、この2点から「時計描画検査」が有効だとされているのです。
※時計描画検査の例としての記事はこちらから👇
http://www.agu-web.jp/~seminar/archives/2011/02/images/1299224139.pdf
このように各検査にはそれぞれ違った特徴があり、認知症のタイプごとにも特徴が現れます。
これらの検査をもとにしながら最終的には画像診断を用いて診断を決定していくのです。
次回は画像検査について紹介したいと思います。
ここで一つ。
今回紹介した検査では質問やその検査の出来によっては本人のプライドを傷つけてしまう可能性のものがあります。
ですので、事前に十分な説明をすることは大前提としてお考え下さい。
また、もしプライドを傷つけてしまったとお感じになった際にはしっかりとフォローしていくことも大切だということは言うまでもありませんね!!
認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。