認知症ってなに???第9話
どうもはや坊です。
今回は前回のアルツハイマー型認知症に続いて「血管性認知症」について話をしていきたいと思います。
血管性認知症とは脳梗塞や脳出血等のいわゆる脳血管障害が原因として起こる認知症です。
※補足
脳梗塞とは脳の血管が詰まってしまい、酸素や栄養が行き届かなくなって脳細胞が壊れてしまう病気です。
脳出血とは脳の血管が破れてしまい、そこから出血することによって脳細胞が損傷を受ける病気です。
以前は認知症の原因として最も多いとされていましたが、現在はアルツハイマー型認知症に次いで多く約30%程度と言われています。
脳血管障害を引き起こす原因は動脈硬化です。その動脈硬化の危険因子として多いのは、高血圧、糖尿病、心疾患、脂質異常症、喫煙などがあります。
そう、いわゆる生活習慣病なのです。
(脳出血には事故等による頭部外傷によるものもありますが…。)
早くも結論
ですので血管性認知症の予防に最も効果的なのは正しい生活習慣になります。
ここはまた最後のほうで触れたいと思います。
血管性認知症になるとアルツハイマー型認知症と同じような症状が現れます。
ですが、症状の現れ方としては異なる点が多いのが特徴です。
血管性認知症は脳血管障害(先ほどの脳梗塞等)が繰り返し起こることで認知症の症状がみられるようになるのが一般的だとされています。
一般的に脳血管障害の再発毎に認知症が進行していくとされており、段階的に症状が進行していくと推測されます。
中には再発することなく軽度の認知症に留まるケースももちろんあります。
また、認知症の症状は脳の障害を起こした部位によってさまざまです。
ここで血管性認知症の特徴的な症状についてご紹介していきます。
◯まだら認知症
脳血管障害により、記憶や計算能力に障害を受けても理解力や判断力などは正常に保たれていることがあります。
このように障害を受ける部分と受けない部分とがある状態をまだら認知症と呼びます。
また、日によっても波がみられ昨日出来なかったことが今日は出来たりと第三者として出来る出来ないの判断が難しいのもまだら認知症の特徴であると言えます。
◯感情失禁
脳に障害を受けたために、感情のコントロールが自分で上手く出来なくなってしまいます。ちょっとしたことで感情の起伏がみられるのが特徴です。
「今日は何曜日ですか?」と質問すると答えようとして急に泣いてしまったり、笑顔で機嫌が良いと思っていたのに声をかけると凄い剣幕で怒ってしまったりすることがあります。
◯その他の症状
運動麻痺
手足が思うように動かせない状態
感覚麻痺
触れたや触れられたなど感触が異常に鈍ったり逆に敏感になったりする状態
言語障害
思うように言葉が出なくなる状態
※話すことだけでなく聞く、読む、書くことも言語障害に含まれます
それ以外にも嚥下障害、排尿障害、夜間せん妄などがあります。
では血管性認知症の人にはどのようにして対応していけば良いのでしょうか。
●認知症を自覚していることが多い
今まで出来ていたことが出来なくなってしまい、そのショックや落胆は予想以上に大きいものです。認知症のために出来ない事が増えていると自覚していることへ配慮し、辛い状況を受け止める言動を心がけることが必要です。
●1日の中でも波がみられることを理解しておく
その人の出来ること、出来ないこと、またその日や時間帯などの環境等にも注意してその人に合った支援の方法を確立していくことが大切です。
●感情の変化が起こるポイントを掴んでおく
感情失禁により、泣いたり怒ったり笑ったりと感情の変化が大きいだけでなく、その人はどのタイミングで特定の感情が出てくるのか等を把握できれば介護がよりスムーズになってきます。
💮血管性認知症を予防するには?
脳梗塞などの脳血管障害を防ぐには、生活習慣を見直すことに尽きます。
おさらいにはなりますが、生活習慣病とは、高血圧や脂質異常症や糖尿病などがあります。これらは日頃の運動不足や偏った食生活、食べ過ぎ、または多くのストレスで起こりやすくなります。ですので生活習慣の見直しは基本的かつ最も重要になります。日頃からバランスの良い食事をし、適度な運動を行うように心がけましょう。
また、血糖値が高いと言われている人は、定期的な受診をして糖尿病にならないように注意することも同じように大切です。
認知症を抱える人もケアを行う人も互いに素敵な毎日を過ごせますように