はや坊〜認知症ケアデザイナーの伝えたい事〜

認知症に関する様々な情報の発信

認知症ってなに???第4話

どうもはや坊です。



認知症ってなにシリーズ
今回は中核症状の一つ




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「判断力障害」についてお話をしていきたいと思います。



まず判断とは…
ざっくり言うと


◯ある事柄について自分の考えをまとめること。
◯善悪の見極めを行うこと。


と、まー簡単ではありますがこのように言うことが出来ると思います。



認知症を抱える人にとって、上記のような判断が難しくなるということが判断力障害になります。




物事を理解して、その時やその場に応じた適切な選択(判断)が出来なくなってしまうのです。



よく聞く話で例に挙げると、

・買い物をする度に同じものを買ってきてしまうため、使いきる前にお家に物が溜まってしまう。
※トイレットペーパーを毎回買う等。


・服のコーディネートや季節に合わせた服選びが出来なくなる


・善悪の見極めが難しいためスーパーで精算前に商品を開けて食べてしまう等々



これらの行動がきっかけで家族が“認知症なのかな?”と疑問を持って病院受診をするというケースも少なくありません。



また、内容を理解できないままに色々な契約を結んだり、保証人になったりしてしまうことがあります。


先程の買い物の例でも、加えて高価な商品を買ってしまったり、銀行口座等から多額のお金を引き出したりすることもあります。



このようなことが起きると大きなトラブルになる危険性が出てきます。



また、理解力や判断力に欠けることでちょっとした変化にも対応できず、混乱することが出てきます。





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このような判断力障害は、冒頭にあるように認知症の中核症状です。


脳細胞が壊れてしまったために起きてしまうことで、判断力障害そのものを完治させることは難しいでしょう。



では、判断力障害についてどのように対応していけば良いのでしょうか?





最も効果的だと考えられているのが
【曖昧な表現をせずに具体的に説明する】ことです。
あれ、これ、それ、等の言葉で話されると認知症を抱える人にとって理解や判断が難しいので不安になったり混乱してしまう原因になります。


「あれ取って」ではなく、
「机の上にある本を取って」などより具体的な声かけに変換してみると良いでしょう。



また【怒らない】ことも重要項目の一つです。
判断力障害は善悪の見極めが難しいのですから、他の人にとっては迷惑だとされることもしてしまうのです。

悪気もなく、また怒られても何で怒られているのか理解出来ないので効果もあまり期待出来ません。
それだけでなく、怒られたといったマイナスな要素は汲み取れるため、落ち込んだり不安になったり、介護拒否に繋がってしまうケースもあります。




怒りたい気持ちを一度こらえて、言い回しを換えてみて下さい。

※但し、介護者は我慢するだけでなく、別の所でそのストレスを発散させる必要があることは忘れずにいて下さいね。


【ゆっくりと待つ】ことも忘れないで下さい。
理解力や判断力に障害があっても時間をかければ理解して判断出来ることも多いのです。
認知症を抱える人への対応はいつもよりゆとりを持って時間をかけた対応を心掛けてみると良いでしょう。




【一人でなるべく外出しない環境を作る】

理解力や判断力障害で1番心配されるのが事件や事故に巻き込まれてしまうことです。
万引きをしてしまったり、赤信号と判断出来ずに渡ってしまい事故に遭うことなども考えられます。なので、外出は誰かが一緒に行くことを強く薦めます。


中にはとても活発でご自身一人で出掛ける人もいるでしょう。
それでも心配な時には近くの公民館や民生委員、または警察やスーパー等の協力をもらいながら見守り出来る環境を整えておくことも大切なことです。





最後に本人が出来るようにサポートすることも挙げておきます。
認知症を抱える人は時が経つにつれて、さまざまな事柄に障害をきたすようになります。

だからといって、何もかも介護者等がしてしまうと本人が出来ることまで奪ってしまうのです。


それは日常生活の動作だけでなく、生活に対する意欲までも奪ってしまうことに繋がりかねません。。



なるべくは本人で考え・出来るようにサポートしていくことが、自尊心や毎日をイキイキと過ごしていくことに必要不可欠な大切な要素なのです。


認知症ってなに???
「判断力障害」について少しでも皆様のお力添えになれればと願いつつ。。。