介護のために仕事を辞める「介護離職」それで本当に大丈夫??
どうも、認知症ケアデザイナーのはや坊です。
家族に介護が必要になった場合、みなさんなら自分の学業や仕事のことをどのように考えるでしょうか??
恐らく、ほとんどの方が始めは学業や仕事と介護の両立を考えて介護に当たることになるかと思います。
ですが、日が経つにつれて介護に要する時間が増えてくると学業や仕事との両立が難しくなってくることがあります。
そこで今回のテーマでもある「介護離職」のことを考え始める人が出てきます。
「介護離職」って何・・?
これは家族の介護等を理由にして、止むを得ず仕事を退職して介護に専念することです。
この介護離職は最近になって問題視されることが増えてきました。
日本では仕事となるとフルタイムでの勤務が当然のことのように認識されており、フルタイムではなくパートタイムや残業が出来ない人達は半人前扱いとされることが未だに多く見受けられます。
そのため、家族の介護のためにフルタイムで働けなかったり、残業が出来ない人たちは職場に罪悪感や気まずさを感じて仕方なく退職という形を取らざるを得ない状況に陥ってしまいます。
もちろん、介護離職をする人の中には職場環境が原因ではなく、自分自身から介護に専念したいと退職する人も一定数います。
ここで筆者が声を大にして伝えたいことがあります。
それは、、
『その介護離職、本当に決めてしまって大丈夫ですか?ちょっと冷静に考え直して見ませんか?』
ということです。
大好きな家族のために、
大切な家族のために、、
そのような思いで介護に当たることはとても素敵なことです。
ですが、介護が必要だからといって学業や仕事を全て投げ出してまで介護に専念することが本当に必要でしょうか?
また、それは本当に心の底から介護が必要な家族が望んでいることでしょうか?
介護に専念するとしている家族も望んでいることでしょうか?
筆者が「介護離職」に待ったをかけるのには大きく2つの理由があります。
まず、離職、つまり仕事を辞めるということはそれ以降の収入が途絶えることを意味します。
※今回は副業や収入が複数ある人たちのことは考慮せずに話をしていきます
収入が途絶えても生活は続いていきます。
生活をするということはお金が必要です。そのお金はどのように工面していくのでしょうか?
これまでの蓄えがあるという人もいるでしょう。
ですが、これから何年・何十年続くかも分からない介護をしながら、家族が生活していくためにお金はいくら必要なのか想像もつきません。
そのような状況でも蓄えだけでどうにかなるものでしょうか??
恐らくほとんどの家庭では難しいのではないかと筆者は考えます。
お金に余裕がなくなると、人は心に余裕を持つことも難しくなってくることがあります。
そんな経済面・心の両面で余裕がない環境で介護がうまくとは到底考えにくいはずです。
これが一つ目の理由です。
もう一つは、介護に専念するにしても介護を受ける側・する側それぞれに自分の時間を確保出来なくなる可能性があることです。
どんな状況になったとしても、特定の人(ここでは介護に専念する家族とします)だけで24時間・365日一緒にいることはほぼ不可能なはずです。
人は確かに他人のために生きる動物です。
人のために、誰かの役に立ちたいというモチベーションが自分の存在価値を高めてくれることは確かです。
ですが、それだけでは人は生きていけないと思うのです。自分のために大切な時間を過ごしてこそ、他の人のために頑張ろうという思いが強くなってくると思うのです。
これが常に介護のために自分の全ての時間を費やしていると、いずれは心身ともに持たなくなり、テレビなどでも報道される最悪の結末に繋がってしまうのです。
介護に専念すると決めたとしても、その中から自分のために時間を費やすことは決して忘れずに行ってもらいたいと思います。
以上、大きく分けてこの2つが筆者が考える「介護離職」に待ったをかける理由です。
もし、今現在で家族の介護のために「介護離職」考えている人がいましたら、一度立ち止まり、冷静に先の先まで考え直して決めていただきたく思います。
もし、フルタイムで働くことがどうしても難しい場合にはパートタイムでもいいので仕事は続ける形をとったほうが懸命だと考えます。
短い時間でも一生懸命働くことで、少しでも経済面での負担を軽減したり、自分の働きがい・生きがい作りに意識を転換してもらいたいと思います。
また、そうすることでそれぞれで過ごす時間の確保もできるので、一緒に過ごす時間がより大切なものになり献身的な介護もしやすくなるのではないかと筆者は強く思います。
認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。
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