認知症対応実践:食事編その4
どうもはや坊です。
最近のブログでは認知症の症状への対応方法を例を織り交ぜて紹介しています。
『食事』に関する症状へのアプローチを紹介していますが、今回より食事症状のもう一つである、
◯食事を口にしなかったり、介助に拒否を示す
この症状に対して、筆者が行っている対応方法を紹介していきたいと思います。
前回までは食事や食べ物の要求を繰り返す症状でしたが、それらとは全く逆の症状が同じ認知症でも現れるのです。
なぜ、そのような症状が起きるのでしょうか。
・食事を口にしない
・介助に拒否を示す
これらの要因は大きく分けて3つあると考えられます。
①お腹が減っていないもしくはお腹いっぱい、という単なる今は食べたくない(食べられない)状態
②食べ物を口に入れて食べるという動作が上手く出来ない
※実行機能障害によるもの
➡実行機能障害についてはこちらを参考にしてみて下さい。
http://gokijet.hatenablog.com/entry/2018/05/03/222958
③食べ物だと認識することが出来ずに不安や恐怖から拒否を示す
➡これは失認という状態です。
今回は①の単なる今は食べたくないということについて話をしていきましょう。
話していくと言いましたが、皆さんお分かりのようにこれは認知症の症状でも何でもありません。単にお腹が減っていない、お腹いっぱいなので食べたくないのです。
謂えば食べれないのです。
私たちが日頃から感じている〈空腹・満腹〉という概念ですが、認知症のケアを考える時に認知症を抱える人たちのそのような思いは軽視されているケースが多いと感じています。
それは空腹・満腹という思いを認知症を抱える人たちは上手く伝えることが出来ない事があります。
そのため、ケアをする側がその思いを感じ取ることが出来ずに勘違いして
“何で食べないの?”や“せっかく作ったのに食べてくれない、介助拒否された”という間違った感情になってしまうのです。
無意識の内にケアをする側の都合で、今はご飯時間だからお腹が空いているだろう等、を思ってお節介なケアになっていることも多いのが実際です。
もちろん、本人以外は空腹なのか満腹なのかといったことは分かりません。。
しかし、その人をしっかりと観察していればシグナル(合図)を出していることに気付くはずです。
筆者はこのようなケースの時は以下の対応をすることが多いです。
Dさん:認知症を抱える人
筆 :筆者
筆「食事ですよ。召し上がりませんか?」
Dさん「何も話さずに首を横に振る」
筆「今は食べたくありませんか?気が向いたら召し上がって下さいね」
と声を掛けて席を外す。
そして少し離れた場所から様子を伺う。
これが筆者の基本的な対応方法です。
その人が食べたいと思っていれば自分から食べたり、食べようとするシグナル(合図)が見られます。そこを見逃さずに次の対応を行えばいいのです。
その人のペース等もありますので、まずは流れに任せるではないですが、
【待ってみる】という姿勢も大切です。
介助を急ぐことはケアをする側の勝手な都合が無意識に働いてしまうことの裏返しでもありますので、そこにも注意して対応してみると変わってくるかもしれません。
皆さんのお力になれているか分かりませんが、こういう人もいるんだなと軽く感じてもらえればと思います。
認知症を抱える人もケアをする側も双方がより幸せになる社会を願って。。。