はや坊〜認知症ケアデザイナーの伝えたい事〜

認知症に関する様々な情報の発信

認知症ケアの対応方法「入浴」編

どうもはや坊です。



人間が生活をしていく上で、基本であり最も大切なのが『衣・食・住』です。
その中で「衣」に関するものとして入浴が挙げられるかと思います。





f:id:gokijet0519:20180718005430j:plain
写真引用:https://onsen-trip.com/49.html





認知症の症状として入浴を拒否する人が少なからずいます。
今回は入浴を拒否する人へ対してのケアの方法を紹介していきたいと思います。




そもそも、入浴を拒否するってなぜ??


私たちは毎日の生活を送る中でほぼ全員の人が入浴をしています。
※一部していない人もいるのでしょうが。。



では、なぜこれまでも入ってきた入浴の拒否をする人がいるのでしょうか?



考えられる理由として

◯もともとお風呂自体が好きではない


◯他人に介助されることへ抵抗感がある


◯認知機能の低下により入浴の意味が理解出来ていない


◯今は入りたくない


等々…




こういったさまざまな理由で入浴を拒否しているのです。



ですが、いくら拒否しているからと言っていつまでも入浴をせずにいると真っ先に気になるのが“不衛生”です。


その為いつまでも入浴をしない状態は良くないので、早めの対応が必要です。



定期的な入浴は身体の汚れを落とすのはもちろん、それだけでなく入浴をすることで心身のリフレッシュが図れます。



ですので入浴を行うことは人間の営みの中でとても大切な要素になります。なるべく本人が気持ち良く入れる環境を整えたいものですね。






ここからは先程のそれぞれに挙げた理由ごとに対応方法を紹介していきます。

◯もともとお風呂自体が好きではない


このタイプの人には単に入浴の話をしてもあまり効果は期待出来ません。この場合は、日常生活の中で自然と入浴へ流れるような環境を作っていくと上手くいく可能性がぐっと広がります。


畑仕事や散歩、または汗をかく程度行う運動をしてからその後に入浴を勧める。

これは筆者が実際にケアの方法として取り入れているものです。

庭の手入れや花木へのみずかけ・雑草取りなど、中での作業よりも屋外での作業後に行うとより効果が現れるパターンが多いです。
人は誰しも汗をかいた後は良い気分にはなれないため、入浴へスムーズに流れていくのです。


◯他人に介助されることへ抵抗感がある


これは実際に拒否を示す人の主張が正しいことを理解した上で対応することが何より大切です。
筆者でも他人に介助されるとなると拒否するでしょう。

この場合の対応として、始めにやるべき事は「自分自身で更衣や身体を洗ってもらう」です。


他人に介助されることが嫌なのですから自分でやりたい訳です。その思いを汲み取るのが最優先課題です。

ですが、「1人だと風呂場で転倒したりきちんと洗えているか心配…。」
という気持ちもあるでしょう。そのリスク管理はとても重要ですので、その意識は持ち続けていて下さい。

そういった心配事の場合は、その思いを素直に伝えるのです。

筆者はこの場合次のように伝えたりしています。

筆者
「Aさんが自分でお風呂に入りたい気持ちはわかりますよ。もちろん自分でしてもらいますから心配しないで下さいね。でも、私としては風呂場で転んでしまうのが心配なんです。だから近くにいても良いですか?何かあったらサポートしますので。でも自分で着替えも洗うのもしてもらいますよ」



少し長くなりましたが、ケアを行う側の思いも素直に伝えましょう。素直な気持ちで伝えるときっと理解してもらえます。



◯認知機能の低下により入浴の意味が理解出来ていない

この場合にはまず入浴することを認識してもらわなければいけません。風呂場を見てもらって本人に少しでも入浴だと理解してもらえるようにします。
それでも上手くいかない時にはジェスチャーを交えながら説明をします。
風呂場を見てもらい
・洋服を脱ぐ仕草をする
・頭を洗う仕草をする
・身体を洗う仕草をする
・実際に使うタオルなどを渡す等

こういった事を1つ1つ追加していくと入浴だと認識しやすいので拒否なくスムーズに実施出来ることが増えてきます。



◯今は入りたくない

この場合は時間をずらしてあげましょう。今は入りたくないのですから、こればかりは本人の思いを尊重するべきです。

本来であれば、これが理由の場合時間をずらす以外の対応方法はなしです。

しかし、自宅だと家族にも都合がありますし、
施設等では職員の勤務時間の都合上ということもあるでしょう。その時にはケアを行う側が「何故今なのか?今じゃなきゃだめなのか? 」これまた正直に話すのです。

本人が今は嫌だと言っているのに逆らう訳ですから、ケアを行う側はそれなりの誠意を持って接しなければなりません。


こちら側の都合であろうがとりあえず正直に話す、、
これに尽きます。









入浴の拒否をする日とへの対応、、
『素直にケアを行う側の思いを伝える』


ありきたりな当たり前の内容になってしまいましたが、これがやはり1番大切なのです。



心身のリフレッシュが図れて疲れも取れて清潔保持も出来る


「入浴」


認知症を抱える人が入浴することを楽しみの一つとして生活出来るとより質の高いものになることマチガイナシですね‼





認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。