言葉は必ず伝わる、それが認知症を抱える人であったとしても。。
どうもはや坊です。
認知症の症状に「中核症状」というものがあることはこれまでもお伝えしてきました。
中核症状は記憶障害や理解・判断力の低下などが主な症状です。
そのため、こちらが話したことが覚えられなかったり、きちんと理解してもらえなかったりすることが多くあります。
この中核症状は現在の医学では完全に治すことが出来ません。
認知症を抱える人に対して、何度も同じ事を繰り返し伝えることはケアをしていてよくあることです。
そのやり取りが続けば続くほど
『どうせ言っても・・・・』というようにネガティブな思考になり、認知症のケアまでも雑になってしまう傾向があるのが現状です。
ですが、言っても覚えてくれないし分かってくれないというのは大きな間違いです。
今回の見出しにも書きましたが、言葉は必ず伝わります。
どんな人にでもです。
もちろん認知症を抱える人で記憶障害や理解力が低下している人にもです。
認知症ケアについて考える時に「ユマニチュード」という思想があります。これはフランス発祥のもので、
◯イヴ・ジネスト
◯ロゼット・マレスコッティ
この2人が提唱した認知症ケアに対する考え方です。
「ユマニチュード」については次回以降詳しくお話をしていきますね。
筆者はこのユマニチュードという視点を持ってから、認知症ケアがより楽しく感慨深いものになってきています。
前までは全くといっていいほど伝わらなかった思いや言葉が認知症を抱える人たちにも十分に伝わるのです。
筆者が心がけていることはたった一つ!!
“この人にこれを伝えたい”
この思いだけです。
普段のケアをしている中で、様々な声かけは当然のように行われています。
ですが、それが単なる声かけでしかない場合が多いことに気付かされました。
その声かけに“本当にあなたにこれを伝えたいんです”
(これをして欲しい、しないで欲しい等も含む)
その思いが乗っているかいないかでケアの質が大きく変わってきます。
子供だろうが、
大人だろうが、
男性だろうが、
女性だろうが、
健康だろうが、
病気だろうが、
認知症を抱えていようが、
本当に伝えたい思いを乗せた言葉は必ず伝わります。
そして相手の心も反応して動いてくれます。これは何も相手を自分の思い通りに動かすという意味ではなく、自分の思いに相手も素直に応えてくれるという意味です。
このブログを書いている日も筆者は実際に認知症ケアでこのような思いを乗せて伝えてみました。
この時は排泄介助だったのですが、こちらの気持ちを素直に言葉に乗せて伝えると、嫌がることなくケアを受けて下さいました。
筆者はこれだけでなく、先のユマニチュードの思想を実践してからというもの、ケアがとてもスムーズに行っていけていると感じています。
日々認知症ケアで上手くいかないことが多い皆さんが居られましたら、
是非とも、こちら側の素直な思いを乗せて相手に伝えてみて下さい。
きっと、きっと、、伝わります。
認知症を抱える人にこそそんな思いを鋭く感じて気持ちを汲み取ってくれるかもしれませんね。。
認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。