はや坊〜認知症ケアデザイナーの伝えたい事〜

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認知症ケア「排泄編」頻回にトイレに行く時の対応方法

どうもはや坊です。


今回は介護と聞いておそらく多くの人が大変だとイメージするであろう、




「排泄」についてです。





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写真引用:http://app.stnn.cc/print.php?contentid=51091




今回は排泄介助の中でも
“頻回にトイレに行く時の対応方法”について話をしていきたいと思います。


まず、前提として

トイレ(排泄)の介助はする側ももちろんされる側にとってもとても辛いことだと認識することが必要です。


本来であれば介護をしている筆者としてはこういうことは言うべきではないかもしれません。


ですが実際には本当に大変なものでもありますので、正直に話させて頂きます。



そこを認識しているだけでもケアに対する心構えが変わってきますので、きちんとケアを行う側の気持ちもケアを受ける側の気持ちも両方理解してもらえたらと思います。



では早速ですが、頻回にトイレに行く場合はどうしたら良いのでしょうか。






その前に、頻回にトイレに行く原因とはどのようなものがあるかをお伝えしますね。

※ここからは頻尿と表記して紹介していきます。



頻尿の原因
◯水分の摂りすぎ

◯尿路感染症
➡膀胱炎など尿の通り道等に細菌が感染すると早く尿を出そうとして頻尿が起こる

前立腺肥大
前立腺が大きくなることで、膀胱などが圧迫されて「尿が途切れる」「尿が最後まで出きらない」といった症状が起こり頻尿になる

◯過活動膀胱
➡膀胱内にあまり尿が溜まっていないのにも関わらずトイレに行きたくなる症状

心理的症状
➡主な原因はないが、トイレのことが気になって何度もトイレに行ってしまう



このように様々な原因が考えられます。
ですので、まずはどの原因になるのかを特定することが必要になります。

頻尿がある場合には泌尿器科を受診して原因の特定をすることが必要です。

もし尿路感染症前立腺肥大などが原因であれば、その治療をしっかりと行うことで頻尿が改善することもありますので一度病院受診も行ってみて下さいね。



原因が特定出来ず、心理的な要因が考えられる場合はどうしたら良いのでしようか。


心理的な要素が強い場合には、トイレのことが気になることを改善してあげなければなりません


認知症を抱える人も、ほとんどの方がトイレの失敗はしたくありません。
また、介助をなるべくは受けたくありません。
トイレの失敗をしたくないから、失敗したくないという思いが強いからこそ失敗しないために何度もトイレに行ってしまうのです。

先程もお伝えしましたが、そのことを意識して対応していくことが必要です。


1番の対応方法とは、
「トイレのことが気にならなくなるような何か夢中に取り組める活動を行うことです。」


どんなことでも大丈夫です。
読書が好きな人はいくらでも本を読めますし、何かを作ることが好きな方は時間を忘れて作業に没頭することが期待出来ます。

または、グループで体操やゲーム、レクリエーション等集団の中で活動することも良い方法の一つです。



その方が好きなものは何だろうと考えて、夢中になって取り組める活動を探してみて下さい。








ここで一つ、、
何度もトイレに行く人に対して

「さっきもトイレに行きましたよ」


「一体何回トイレに行ったら大丈夫なんですか?」



このような言葉を投げ掛ける場面があります。
数分おきにトイレに行くのを見ていると、ケアを行う側としてはそんな思いを持ってしまうことは認めます。

筆者も実際にそう思うことがあります、もちろん。
ですがそのような言葉を投げ掛けることで認知症を抱える人はより不安になり、余計にトイレの失敗をしたくないと思い、結果として頻尿が増えてしまうのです。


ですので、たとえそう思ったとしても言葉をかけるときにはその人の気持ちも感じて行っていくことが必要です。




頻尿とは、何度かケアをすることですぐに改善されるものではありません。

まずは病院を受診して原因の特定を行い、本人がトイレのことを気にしなくても済む生活環境を整えていけるとより良い対応方法だと思います。




認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。