認知症ケア「同じ衣服ばかり着てしまう」どうしたらいい?
どうも認知症ケアデザイナーのはや坊です。
前回は『こだわり』についての根本的な話をしました。
こだわりはその人らしさの表れ
それはある程度お分かり頂けたかと思います。
写真撮影:はや坊
ですが、いくらその人らしさだと言っても時には度を越してしまうことがあります。
そんなこだわりの中から今回は「衣服」について焦点をあてて話をしていきたいと思います。
認知症を抱える人の中には、いつも同じ衣服を着ている人を見かけることがあります。
※同じものを何着も持ってる人もいるとは思いますが、今回はそれは考慮せずに話をすすめていきますね。
なぜいつも同じ衣服ばかりを着てしまうのか?
それにはいくつかの理由が考えられます。
◯お気に入りの服
◯この衣服じゃないと落ち着かない
◯理解力の低下等により衣服の交換が分からなくて同じものばかりになってしまう
これらのどの理由にしても衣服は定期的に交換しなければなりません。
汗をかく等いつも同じ衣服ばかりだと衛生上の問題があるからです。
筆者も日頃から認知症ケアで衣服の交換や入浴の介助をすることがあります。
その際に、同じ衣服ばかりを着る人がいます。
その時には衣服の交換を声かけすることが必要になります。
“今着ている衣服は洗濯してからまた後日着ましょうか”
“(いつもとは違う衣服を差し出して)たまには気分を変えてこれに着替えてみませんか?”
“(いつもとは違う衣服を差し出して)このデザインの衣服も似合いそうですね、着てみませんか?”
と、筆者はこのように声かけをすることが多いです。
理解力の低下等により自分で衣服を選べない方には比較的スムーズにケアを行うことが出来るはずです。
ここでケアに工夫が必要なのが『こだわり』を持っている方に対する方法です。
中には必ずこの衣服じゃないとだめという人もいます。
その方には同じ衣服を何着か用意するのが1番理想のケア方法になります。
本人も納得して着替えが出来ますし、ケアを行う側も洗濯など衛生上の問題もクリアしやすいでしょう。
同じものが用意出来ない場合にはやはり声かけや説明で工夫することが必要です。
●全く同じものではなく、少し似ている衣服を渡すという方法もありますが、それも本人が違和感を感じて上手くいかないことがありますので注意して対応力しましょう
声かけや説明する上でのポイントを紹介しておきます。
先程の筆者が行っている声かけのように、
《声かけにはプラスの要素を含んで行うことが大切です。》
くれぐれも“いつも同じものばかり着て…”などと言ってしまわないように注意しましょう。
衣服の交換というのは入浴同様に、本来は気分を良い方向へ向かせてくれるものです。
衣服を換えることで、気分がシャキッとしたり、逆にリラックスしたりすることが出来ます。
認知症を抱える人も衣服の交換でそのような気分転換が上手く出来るようにサポートしていきたいものですね。
認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを切に願って。。。