何でも認知症のせい??にしてはいないだろうか。
どうも、認知症ケアデザイナーのはや坊です。
認知症のケアをしていると、いつも何かしらの不安やストレスを抱えている人も多いと思います。
そしてその不安やストレスというものが、時として偏った考えになることがあります。
※写真は現在沖縄でも定期的に開催されている、認知症を抱える人も安心して働ける喫茶店として人気のプロジェクトに参加した時のものです。
◯認知症を抱える人の行動を全て「認知症」のせいにしていませんか?
例えば、認知症を抱えているAさんが落ち着きなく家中を動き回っているとします。
この時に、ケアを行う多くの人が『認知症の症状からくる徘徊でしょ』、『また動き回っているけどいつものことだから…』
というように、自分の都合に合わせて「認知症の症状」として勝手に捉えていることが多いのではないでしょうか。
実際に認知症の症状からくる行動の場合も少なからずあります。
それも事実です。
しかし、それだけではなく
「お腹空いたけどどうしたらいいか・・」
「身体が痛いから歩いたら少しは気分晴れるかな・・」
「ずっと家の中に居ても暇だし外に出掛けたいな・・」
等、別の原因が隠れていることが本当は多いのです。
それを「認知症の症状」だと勝手に決め付けられて、何も対応してもらえないとなると認知症を抱える人にはストレスが溜まってしまいます。
その積み重ねが症状を発症したり、少しずつ悪化させる可能性があることをケアを行う側が認識しなければいけないのです。
このような状況にも対応するためには、気付き、すなわち観察が大切になります。
いつもと同じで片付けるのではなく、そこから一歩踏み出したケアが大切です。
この一歩踏み出したケアはとても大変なことですが、それ故にケアを行う側にも相応のストレスがかかるのも事実です。
そこでケアを行う側へ提案したいのは…
☆全てに対応しなければいけないのか・・ではない。
という事です。
認知症を抱える人の行動や状態の一つ一つ全てに対応するのは正直とても大変なことです。
と言いますか、誤解を恐れずに言うと筆者は不可能だと思っています。
ですが、対応というのは何も全てをやりきることではなく、
その人の行動や状況に対してちょっとでもいいからリアクションをするということです。
「どうされましたか?」
「気になることでもありますか?」
「こちらに来て一緒に◯◯しませんか?」
「何かあればいつでも声掛けて下さいね」
など、こちらがリアクションを起こすことで認知症を抱える人も“気にかけてくれている”という気持ちになれます。
それで良いんです。
何もパーフェクトを目指す必要はないですし、パーフェクトなケアというのは存在しません。
ただ、きにかけていますよ、きちんと見ていますよ、
この思いが伝われば認知症を抱える人も安心して過ごせるでしょう。
行動や状況に対してリアクションしてみる、
これで認知症ケアが今よりもスムーズにいくとより楽しく出来ますね。
認知症を抱える人もケアを行う側も双方にとってより良い環境になることを願って。。。
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